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※レッスン中は出られない場合があります

母音を使って声の居場所に戻る


~声がうまく出ないときの、ちいさな工夫~

長く声楽・ボイストレーニングのレッスンに通ってくださっている方でも、この暑さで疲れが出たり、体調の変化によって、声の出方がいつもと少し違う……そんな日もあります。

「なんだか今日は調子が出ないなあ」
そんなとき、私はよく母音で歌っていただくようにしています。

先日のつくばレッスンでは、歌詞で歌うとどうしても声が浅くなってしまうレッスン生さんに、「お」母音だけで歌っていただきました。

日本語には「あ・い・う・え・お」と5つの母音がありますが、私の経験では、「お」が最も喉をゆるめ、響きが深く落ち着く母音だと感じています。

同じフレーズを、「お」だけで歌ってみる。
それからまた、もとの歌詞で歌ってみる。
その繰り返しの中で、だんだんと本来の響きや、その人の声の居場所を、体と声が思い出していくのです。


母音で歌うことで、余計な力みが取れて、呼吸と響きが自然につながることがあります。
歌詞を乗せようとするあまり、発声が前のめりになっている時には、母音に置き換えることで、本来の豊かな響きを取り戻していくことが出来ます。

母音での練習は、自分の声と丁寧に向き合うための、入り口のようなもの。

調子を整えたいなと思った日、どうぞ、歌詞の代わりに「お〜」と伸ばしてみてください。

あなたの中の深い場所に、ちゃんと声は響いてくれるでしょう。