声の“奥行き”を聴くということ

歌のレッスンでは、音程やリズム、歌詞、声の音色などを聴いて、調整してゆくのですが、もう少し違う部分にも耳を澄ましています。その人の声が、その人ご自身の背後にまで響いているかどうかというところです。
声というのは、口から前に出ているだけではありません。
自分の身体を自然にそして充分に使った発声をした時、その声には奥行きが生まれます。
それは、その人の存在全体から発せられているような響きであり、深い“共鳴”のような音です。
レッスン生さんの声がご本人の背後、たとえば1メートル半ほど後ろの空間まで自然に広がって響いているとき、適切な発声というだけでなく、その方が自分自身とつながっていて、心の扉が開いている状態なのだと、私は感じています。
私たちの声は、自分が思っているよりも、もっとずっと広く、深く、世界に響いているのかもしれません。
リアルな対面レッスンは柏市、つくば市でおこなっています。