歌いながら育てる、“今ここ”の心

歌っていると、音程が外れたり、歌詞を間違えたりすることってありますよね。
でも、そのたびに止まってしまっていたら、最後まで歌いきることができません。
「今、ちょっと音程が下がっちゃったかも」
「歌詞、間違えたかも…」
そう思いながらも、その場で立ち止まらずに先へ進んでいく。
そして最後まで歌い切る。これは、とても大切なことなんです。
もちろん、「失敗しても放っておいていい」ということではありません。
レッスンのあとで、「どうしてそうなったのかな?」と振り返ったり、「次はこうしてみよう」と工夫したりすることは、とても大切です。
でも、演奏の途中で立ち止まるわけにはいかない。
これは、私たちの人生にもどこか似ていると思いませんか?
たとえば、私たちは過去を振り返って「あの時こうしていれば…」と悔やんでしまうことがありますよね。
でも、くよくよと悔やんでばかりいると、“今”の自分を置き去りにしてしまうのです。
それと同じように、歌を歌っているときも
「次の歌詞、なんだったっけ…」
「この後の高い音、ちゃんと出せるかな…」
と、未来のことが気になって不安になることもあります。
そんなときは、“少しだけ予想しておく”くらいで大丈夫。
あまり心配しすぎずに、今この瞬間に歌っている一音一音に、やさしく気持ちを向けてみてください。
レッスンを重ねるうちに、私たちは少しずつ
「過去を悔やみすぎない」
「未来を心配しすぎない」
そんな心のあり方も育てていくことができます。
そして、それが音楽だけでなく、
日々の暮らしの中でも、あなたの支えになってくれたらうれしいです。