自分の声が好きじゃない?

〜声の中にある情報〜
ボイトレに来られる方の中には、「自分の声が好きじゃない」とおっしゃる方が少なくありません。
少し観念的な話になりますが、私たちの声の中には、実にさまざまな情報が含まれています。
その日の体調の良し悪し、心のどこかで気にしていること、早く帰りたいなという気持ちまで、すべて声ににじみ出ます。
自分が話したり歌ったりしている音源を聞いたとき、どこか居心地が悪いのは、
「もっと上手に話したい」「もっときれいな声で歌いたい」という願いが裏返って、
「今の自分はまだダメ」という否定的な情報として自分の耳に届くからかもしれません。
声は単なる音ではなく、その人の今の状態を映す“鏡”のようなものです。
たとえ完璧でなくても、その時のあなたの感情や思いがまっすぐに響いている声は、聴く人の心に届きます。
ボイトレでは、まずその「今の声」を良く聴くことから始めます。
自分の声が どんな音色なのか、体のどの辺りから出ているか、周りの空気にどれぐらい響いているか。
それから、体の状態にも耳を澄ませていきます。
喉はどれぐらい締まっているか 緩んでいるか、舌はどこにあるか、お腹にどれぐらい空間を感じているか。
そうして、自分の声と体を観察していると、少しずつ変化が訪れます。
最初はただ「好きじゃない」と思っていた声が、
「今日はちょっと柔らかいな」「少し軽くなったかも」と、日によって違う表情を見せてくれることに気づくのです。
声は、あなたの生き方や心の状態と深く結びついています。
だからこそ、無理に理想の声を作ろうとするよりも、
今ここにある声を丁寧に聴き、受け入れることが、
結果的にいちばん自然で魅力的な響きへとつながります。
今のあなたが好きじゃないと思っている声は、自分の心や体と向き合うための、最高の情報源となり得ます。
その声に耳を傾けることから、あなただけの自分らしい生き方 が始まっていくことを願っています。
「たまみの音楽室」では、つくば市 柏市、そして オンラインにて、声楽 ボイトレ 大人のピアノのレッスンを提供しています。
音楽を通じて人生をより自分らしく描いていきたい方、お待ちしています。