私たちの音楽の受けとり方

2ヶ月ほど前、柏市で「手賀沼 和太鼓サミット2025」というイベントがおこなわれたので聴きに行きました。
会場は、手賀沼のすぐそばにある私有地の山の中。自然に囲まれたその場所には、100人ほどのお客様が集まっていました。
和太鼓の演奏が始まると、会場の皆さんは自然と手拍子を打ったり、体を揺らしたり、とてもリラックスした様子で音に身をゆだねていました。
その楽しそうな姿に、私はふと「和太鼓って、私たち日本人にとって“自分たちのもの”として、心に深く根ざしているのかもしれない」と感じました。
誰かの演奏をただ“聴く”のではなく、まるで一緒にその場を作り上げているような一体感。
お客様一人ひとりが、和太鼓を「自分のもの」として受けとっているその雰囲気が、とても印象的でした。
西洋音楽も、日本に伝わってからすでに長い年月が経っています。
けれど、その背景にある文化や歴史については、まだまだ知らないことも多いのではないでしょうか。
和太鼓のように、自然に体が動いてしまうような“自分の音楽”として感じられるようになるには、音の背景にある物語や、人々の暮らし、そこに息づく想いを知ることが、大切なのかもしれません。
これからも、教室でレッスン生の皆さんと一緒に歌ったり弾いたりしながら、その曲がどこから来て、どんな風に人の心に寄り添ってきたのか──
そんなお話も、もっとたくさんお届けできるようにしていきたいと思います。